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入れ歯(義歯)

入れ歯とは?

義歯を用いて、歯を失った部分を補う治療方法です。失った歯をそのままにしておくと、噛む力が低下するだけでなく、残りの歯に負担がかかり、噛み合わせが悪くなったり、健康な体もそこなってしまいます。
入れ歯治療を行うことで、失ってしまった歯の機能を回復させ、残っている歯とのバランスを保つことができます。
それにより、食事や会話を楽しむ、気兼ねなく笑顔になれるなど、生活の質の向上に大きく貢献することができるのです。

部分入れ歯(局部義歯)と総入れ歯(総義歯)

  • 部分入れ歯(局部入れ歯)とは

    歯を失った部分だけに入れ歯を入れて、残っている歯に金属のフック(クラスプ)をかけることで入れ歯を安定させる方法です。きちんと設計して治療を施すことで、しっかり噛めて、長期に維持できます。 部分入れ歯(局部入れ歯)は構造上、残っている歯と欠損部分の粘膜で噛む力を支えるため、負担がバランスよくかかるように入れ歯を設計することが大切です。
    もし、残っている歯にだけ負担がかかれば、せっかくの健康な歯がダメージを受け最後は抜けてしまします。逆に粘膜のみに負担がかかった場合、粘膜が傷つき、食事をした際に入れ歯が当たり痛いということが起きます。
    患者様に合わせてバランスのとれた設計をすることで長期的にしっかり噛める入れ歯ができます。

  • 総入れ歯(総義歯)とは

    すべての歯を失ってしまった際の治療法の代表です。顎堤粘膜(がくていねんまく)に吸盤のように吸着させて入れ歯を維持します。支える歯がないため、顎堤粘膜(がくていねんまく)で噛む力を支えます。しっかり噛める安定した総義歯を作るには、正しい入れ歯の形態、正しい噛み合わせ、適正な位置、この3つが大切です。そして、その3つを実現するためには技術と経験が必要になります。
    顎の土手のあるなしなど作成には個人差はありますが、当院では患者様毎に噛み合わせを考慮した総入れ歯(総義歯)を作成しています。

  • 入れ歯作成の流れ

    入れ歯の作成には複数の過程が必要になり、それぞれ大事なポイントを抑えることが大切です。
    患者様に合わせて1つずつしっかりと歯科技工所と連携して作成を進めて行きます。

    • 1. 1次印象採得(歯型採取)

      既製トレーという金属製の型をとる道具とガム状の印象材で型をとります。

    • 2. 2次印象採得(歯型採取)

      前回の型をもとに作成した患者様に合わせた型取り用トレーを使用し、より精密にお口の中の型を取ります。
      このトレーを個人トレーといい、歯科技工所に依頼して作成します。

    • 3. 咬合採得

      上下の顎の位置を決めるために、レジンでできた咬合床をお口の中に入れ、噛み合わせを確認します。
      また、このタイミングで歯の色味も確認します。

    • 4. 試適

      排列試適(はいれつしてき)や仮床試適(かしょうしてき)ともいいます。
      仮並べされた入れ歯をお口の中に入れて、噛み合わせの安定感や歯の入り方などを確認します。
      まだ仮並べのため、この段階では修正可能です。

    • 5. 完成・装着

      完成した入れ歯を実際にお口の中に入れ、しっかり噛めるかや噛み合わせ、痛いところがないかを診査・調整して装着します。

入れ歯の保険診療と自費診療

入れ歯には保険が適用されるものと、自費で作成するものがあります。患者様が納得して使える入れ歯を作成するために、それぞれメリットとデメリットを比較することが大切です。

  • 保険診療の入れ歯

    メリット
    • ・価格が安価
    • ・作成に時間がかからない
    • ・修理が簡単にできる
    デメリット
    • ・作成する際に素材がレジンに限られる
    • ・壊れやすい
    • ・審美性が低い
    • ・噛む力が弱い
  • 自費診療の入れ歯

    メリット
    • ・豊富な種類の素材から選択できる
    • ・しっかりと噛める
    • ・機能性が高い
    • ・審美性が高い
    デメリット
    • ・価格が高額
    • ・作成に時間がかかる
    • ・素材によって修理が難しい場合がある

入れ歯のクリーニング

入れ歯は毎食後に洗浄することが大切です。食器と同じように、油っぽい料理を食べれば油汚れがつきます。また、コーヒーやお茶を飲めば着色し、繊維性のものは細部に引っかかっているかもしれません。食器を毎食後洗うように、入れ歯も洗浄します。
食べ物の汚れだけでなく、入れ歯は歯と同じようにプラークがつきます。放置すると、口臭の原因になるだけでなく、食事の際に細菌を一緒に食べることになります。
出先などすぐに磨けない場合を除き、毎食後洗浄する習慣をつけることが大切です。

入れ歯の洗い方

  • 1. 道具を準備する

    ・入れ歯用ブラシ 普通の歯ブラシでも問題ありませんが、入れ歯用の歯ブラシは毛先が長く使いやすいです。

    ・研磨剤の入っていない中性洗剤or義歯用洗剤 油分は洗剤を使ったほうが落ちやすいです。また、殺菌効果や漂白作用があります。

    ・流しに水を張るorマットを敷く 素材によって、入れ歯は落とすと割れてしまいます。特にブラッシングの際など洗浄中は落としてしまう恐れがあるので、数センチほど水を張るか、流し用のマットを敷きます。

  • 2. 洗剤と歯ブラシを使い、汚れを落とす

    入れ歯についたプラークを除去します。あまり強い力をかけると割れたり傷がつく可能性があるので、強くこすらないように洗いましょう。入れ歯に傷がつくと着色や細菌がつきやすくなり逆効果です。汚れを落とすことを意識して、歯と歯の間や金具の隙間なども丁寧に優しく磨くことが大切です。

  • 3. 洗剤をすすぐ

    しっかりと磨けたらブラシで洗いながらすすぎます。
    プラークが入れ歯に付いたままにしておくと、細菌が繁殖し、口臭や歯周病、虫歯の原意になります。洗い残しが無いようにしっかり洗い流しましょう。

  • 4. 保管する(洗浄剤)

    就寝の際には乾燥しないよう水中で保管します。水は毎回交換します。 また、義歯用洗剤を使用する場合にはこのときに使います。2~3日に一度とおっしゃる方もいますが、毎日つけて消毒殺菌することで、食事の際に細菌を飲み込んだり食べたりすることを防ぐことができます。
    入れ歯の利点は外せることです。取り外して状態を確認し、清潔な状態を保ちましょう。

入れ歯治療は歯を失ってしまった場合の治療法として最も一般的な治療方法です。他の健康な歯に負担が大きいブリッジや、手術が必要なインプラントと比べても身体への負担が少なく安全な治療です。 しかし、しっかりと噛める安定した入れ歯を作るためには技術と経験が必要です。当院では患者様の噛み合わせを考慮して、しっかりとした入れ歯をお作りしています。